更地
入院している親を見舞った。2年で3回目。今回はこれまでと違い、膝に水がたまり動けなくなってしまったそうだ。正式な診断は明日でる。最悪の場合は膝にメスを入れて関節を取り替えることになるかもしれないとのこと。。。何かに祟られているのだろうか、とおもってしまうほど、立て続けである。
今回膝を悪くした原因は引越し。実家を売り払い少し郊外に引っ込んだのだ。
3月から4月にかけて連日段ボールと格闘していたことが原因らしい。業者にもたのんだのだが、昔気質の人であるため、ほとんどを自分が入ってやり取りしていたようだ。
なぜそんなに無茶をするのだろう。病室で言い合いになった。親といえども考え方が違いすぎる。親も私に対して同じ思いがあるようだ。本当に難しい。
膝の怪我が出来るだけ軽度であることを祈るばかりである。
お見舞いの前に実家があった場所に行ってみた。
・・・そこはすっかり更地となっていた。
こんな狭い場所だったんだ。
あらためて思い返す。
私はこの土地で生まれてすぐに九州にある父方の実家にお世話になり、生まれてしばらくしてから戻ってきたそうだが、ここはまぎれもなく「生家」である。
生まれたときに父が植えてくれた金木犀も切り倒され、本当に跡形もなくなっている。
でも、このタイミングに来て良かったのかもしれない。破壊される家をみていることは出来なかっただろうから。
この狭い空間でわたしたち家族は笑い、泣き、そして生活していたんだ。
それは紛れもない事実。この空間では「絶対○○はしない」というルールがあったが、更地になると同時にそのルールも消失している。
なんだか、すーっと軽くなったのも事実。世の中、変わらない事なんて無いんだよね。
だったら、出来るだけ良い方向に変わるよう働きかければ良いんだよね。
自分一人の力ではどうしようもない事が多い。病気にせよ、人の気持ちにせよ。
どうにかしようとして、どうにかなるのなら苦労は無い。どうにもならいことだから、人はできるだけ良くしようと努力する。わたしはまだ足掻いていたい。
往生際が悪く立って、格好悪くたって良い。生きることは格好付けることではない。必死なんだ。
| 固定リンク
最近のコメント