心と体

2006.12.31

退院

今年も多難の年だった。
先日、親が退院できた。入院時の状況を考えると年内に退院できるとは思っていなかった。

退院時には仕事ため付き添うことが出来なかったので、大晦日の今日実家に行き、ケーキを買って内輪の退院祝いを行った。心配していた言語障害も歩行障害もほとんど無く、無事に退院してきた親の様子を見て、天に感謝した。

本当によかった。なにかと出来事の多かった2005年。最後におだやかな状態で年の瀬を迎えられる幸せは何事にも代え難い。
私のことを心配してくれた仲間、応援してくれた仲間のみんな、本当にありがとう。

感謝の気持ちを忘れず、新しい年を迎えたいと思う。

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2006.12.23

3回目の見舞い

3回目の見舞いに出掛ける。
週末にしか見舞いに行けないが、回を増すごとに回復している状況が分かる。
言葉はまだまだ辿々しいのはこの病気、致し方ない。しかし、意識もはっきりしているし会話のとぎれもほとんどない。効果的な治療とリハビリが行われているようである。

四人部屋の一番窓際のベットに移動していて、木漏れ日がやさしく差し込んでいる。
暖かな祭日。

退院の日は近い。

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2006.12.16

デザインが癒すひとのこころ

入院中の母を見舞いました。

先日のブログの記事を読んでくださった方々から「大丈夫?」とご心配をいただいてしまいました。お騒がせして申し訳ありません。みなさんの励ましの言葉、本当に嬉しかったです。ありがとうございます。この場をお借りして御礼申し上げます。

昨年の時もそうでしたが、母はこの病院にある「高圧酸素治療装置」との相性が良いらしく、2回の処置をした後の今日は、入院時よりも格段に元気そうでした。まだ移動は車いすを使っているが、ベットの上に起きあがることも出来なかった入院時と比べると血色も良く、会話も出来ています。

ドクターからはこの病院での入院期間は2週間と言われています。定期的に食事と投薬をしてくれ、衛生面でも整っている病院での生活は、ややもすると自分の判断で決められた薬を飲まなかったりする母のような人には良い方向に働いているようです。
病室も、それまでの重傷患者用の部屋から、一般(?)入院患者用の部屋に移動しました。かなり静かな部屋で本人も安心しています。

さてさて。ベット脇にテレビがあります。100円を入れて1時間20分観られるタイプのものです。(イヤホンも一日350円のレンタル)
母は先日、病室の“音”に非常に苦しんでいたこもとあり、今日の面会でポケットラジオを差し入れました。

SONY「ICF-50V

Sl1020369

ピントが甘いのはご容赦を。何せ病室内ですから。
実家近くのラオックスで購入。2,980円也。地上波テレビ12チャンネル、FM、AMが入ります。単四電池2本で駆動。プラスチック製。色は赤と白から選べる。
特別な機能はありません。操作が直感で分かりやすい(チューニングもボリュームもダイヤルを回すタイプ)ことと、デザインがスッキリしていること。プラスチック製で重くない事。明るい色味であること。以上が選択の理由でした。

このラジオを見て持った母の感想。
「この、ふにゅって少しだけ曲がった感じが持ってみてとてもしっくりくる。病室内ってどうしても“モッサリ”としたものが増えてしまうけど、これはあか抜けていてなんだか持っていて嬉しいわ。 」

お値段的にはこれより数百円安くて同じ機能を持ったソニー製のラジオも売っていました。でもそれは、いかにも「携帯に便利なラジオです!非常持ち出し袋に常備しておいてね!」的なデザインの代物で、どうしても積極的に選択出来ませんでした。(あとでコンビニに同じ携帯ラジオが置いてあるのを発見。)

実際、遮音性も考えく購入してきたインナーイヤーヘッドフォンを使い、ラジオを楽しそうに聴いている母を観ていると、この携帯ラジオを買ってよかったなぁ、と感じました。
あまりデザインにうんぬんかんぬん言わない人なのですが、この状況でのこのラジオのデザインは好感度に直接結びついたようです。
「SONYさんは最近、結構大変だったみたいだけど、こんなあか抜けたものを作れるんだから、やっぱり『世界のSONY』よね。あなた、凄いと思わない?」 明らかにこのラジオを作ったSONYさんの勝利です。はい。

この携帯ラジオのプロダクトデザイナーさん、あなたの提案は一人の病に苦しんでいる人の心を明るくしてくれましたよー。ありがとねー。

入院時よりも明らかに明るい表情になった母から、ビジネスの極意を教わって帰ってきました。

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2006.12.13

二度目

携帯電話が鳴った瞬間、「あ、これは良くない」と感じる方の名前表示があった。
母の友人。

今日、去年と同じ病気で同じ病院に母が入院した。それを知らせてくれる電話だった。
会社の同僚や部下に多大な迷惑をかけて会社を飛び出し、埼玉の実家近くの病院へ。

去年も看てくださったカウンセラーの藤澤さんが居た。ご挨拶もそこそこ病状を聴く。
「詳しくは先生からお聞きになった方がよいですよ」 この手のご案内はあまり良い結果を生まない。

前回は院長先生、今回は副院長先生に担当していただいている。
MRIの断層写真を見る。私でも分かる部分がある。

今回は去年より確実に悪い。去年は計算を司る部分がだめになってしまった。今回は歩行を司る部分との説明を受ける。リハビリでどこまで回復するか。最低二週間の入院で様子を見ることになる。説明を聞きながら目の前が暗くなる。

今日は私自身、すこぶる体調が悪い。熱と咳で昨日はほとんど寝ていない。こんな体調の時に親が入院。何か因果応報なのだろうか。
私自身も別の病院で看ていただき、安静を告げられる。親子共々散々である。
病室はまさに「病室」めいている。看護婦に尋ねると病院で一番の重病患者が入っている部屋だそうだ。ここしかベットに空きが無かったそうだが、数時間居て気が滅入ってくるのを実感する。かなりの精気を吸い取られ、実家の後かたづけをして帰途に就く。
自宅に着いたときには既に日は暮れ、精神と肉体がへとへとに疲れ切った自分を鏡の中に見つけた。

「このブログはまるで遺書だね」と学生時代の友人に言われたことがある。
遺書か。生きた証しだと私は思っているが、案外そういうモノなのかもしれない。

明日からまた日常が始まる。
今日と違う明日。今日と続いている明日。
せめて明日は笑顔でいたい。

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2006.12.03

トントントンのおじちゃん

東京都下、昭島市に中神という街がある。
母が勤めていた職場の同僚で、中神に住んでいらした高橋緑朗さんがお亡くなりになった。
心からご冥福をお祈り申し上げたい。

父を早くに無くした私にとって、高橋さんはあしながおじさん的な存在だった。
毎年クリスマスになると男の子が欲しがるおもちゃを買って来てくれた。
6歳から鍵っ子だった私に冷蔵庫の残り物でつくる美味しいチャーハンなど、料理も教えてくれた方だった。私のとってはもう一人の父親的存在であった。
社会人になったとき、奮発してオーダーのスーツまでつくっていただいた。デザインもサイズも今となっては着られないが、いまでもあの嬉しさは覚えている。

母は高橋さんのことを何故か「トントントンのおじちゃん」と呼んでおり、私もそれにならって「トントントンのおじちゃん」と呼ばせていただいていた。

10月末にお亡くなりになったそうである。実家の母宛に届いた欠礼文で初めて知った。
ごめんなさい。お加減が悪いことを全く知らなかった。

おじちゃんのうちの近くを流れる多摩川や、清水がわき出ていた神社で良く釣りをした。
たいした釣果は無いのだが、大人の男の人と遠出をすることだけでも楽しかった。
おじちゃんには一郎さんという一人息子の方が居た。小学生の時分、大学生の一郎さんに良く遊んでいただいた。お兄さんといのはこういうものなのか、と感じたものだ。

先日、昭島で同期の結婚式に出席した帰り、臨時列車が通過した。
子供の頃、中神に行くときに立川から乗り換えた青梅線の旧型車両、チョコレート色の木製車両だった。あの通過を見やりながら「おじちゃん、どうしているかなぁ」とつり革につかまりながら思い返していた。もう、既におじちゃんは天界の門をくぐったあとだったのに。

奥様は年内の焼香はご遠慮いただきたい、とおっしゃっていたそうだ。母はよく分かる、と実体験から来る深いため息をついていた。

年明け、会いに行こうと思う。 緑朗おじさまに合掌。

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2005.11.13

母の入院と退院で感じたこと

明日、10月末から入院していた母親が退院します。
病名は長嶋終身名誉監督が倒れたのと同じもの。
監督とは違い、行動障害は無いのですが、簡単な言葉の読み書きや足し算が出来ないなどの記憶、言語障害は残ってしまいました。
ただ、回復は驚異的なスピードで、入院当初、自分の名前も言えなくなってしまった人と同一人物とは思えないくらい。
若い頃ラジオで良く聞いていた英語の歌の歌詞を書いたりもできるようになりました。

今回の件では、本当にいろいろな人に良くしていただきました。近所の方々、病院の方々、会社の上司やみんな。。。本当にありがとうございました。ご迷惑おかけしました。

親の世代はかなりの年齢になっているという事実。言葉と記憶の複雑なメカニズム。脳という組織と医療の現場。不安。解決のための手立て。いろいろなことが判りました。人は一人では生きていけない存在であることも。

一番大切なものはなんだ?とある人に問われました。
家族、というものの存在をあらためて感じています。

あなたにとって一番大切なものはなんですか?

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